大学案内

                                                      大学概要

重慶市沙坪壩区に位置する四川外国語大学(SichuanInternational Studies UniversitySISU)は、中国教育部の認可を得た、重慶市人民政府に属する全日制公立大学であり、中国が最初に設立した四か所の外国語大学のひとつでもある。

「団結・勤勉・謹厳・堅実」の精神を受け継いだ大学は「海、百川を(い)れ、学、中外を貫く」をモットーに、外国語教育を中心に多角的に発展していく国際志向の大学として、多くの外国教育機関と交流を深めつつ、絶えず学生能力と大学自身の教育力の向上に力を入れている。

現在、外国言語文学専攻を主軸に、中国言語文学・メディア学・教育学・経済学・経営学・法学等の専攻も併設した四川外大は、大学院(前・後期課程)学部・留学生教育・社会人講座・一般研修等、多レベルの教育体系を整えたほか、外国言語文学研究科のポスドク(博士研究員)フェロシップを常設しており、『外国語文』や『英語研究』等の学術雑誌も有しているため、外国語人材の養成および外国言語文化・国際経済・国際政治研究等の分野において中国西南地域の重要拠点になっている。

大学の歩み

大学の前身は1950年、鄧小平・劉伯承・賀龍等中国革命の功労者たちによって開かれた「中国人民解放軍西南軍政大学(ロシア)(ご)訓練団」である。その後は「中国人民解放軍第二高級歩兵学校俄文大隊」(1951年)、「西南人民革命大学俄文系」(1952年)、「西南俄文専科学校」(1953年)、「四川外語学院」(1959年)を経て、2013年に現在の学校名になった。同年、中国国務院学位委員会によって博士号の授与機関として認定された。  

周辺環境

みどりの多い、ひっそりした環境に包まれた大学は歌楽山麓の傾斜地に校舎等を構えており、近くには嘉陵江が流れている。自然豊かなキャンパスは重慶市人民政府から「園林式単位」(樹木の多い施設)として指定されている。  

学科・専攻

全日制の学部と大学院(前・後期課程)を備える大学は、付属の中学校・小学校(それぞれ1個)と22の学部を開設している。専攻数は全部で49に達し、そのうち、22か国語をカバーする外国語関連の専攻は24を占める。毎年全国の29の省・自治区・中央直轄市から学生を募集し、現在では在校生が16000人を超えている。  

外国言語文学専攻を中心にする大学は、文学・経済学・経営学・法学・教育学・哲学・芸術学等の学科も発展させている。大学院の前・後期課程はそれぞれ5個(49の専攻を含む)と1個(13の専攻を含む)ある。ほかにプロフェッショナルの育成を目指す前期課程は10個(49の専攻を含む)を持つ。外国言語文学研究科では、ポスドク(博士研究員)フェロシップを実施している。それに、重慶市と教育部からの支援を受けた専攻が数多くある。  

教員

大学は教師陣の強化にも力を入れている。1372人に上る全教職員のうち、教員が863人いる。そのうち、准教授以上は全体の50%を、博士号取得者は38%を占めている。国務院手当受給者・全国優秀教育者・全国模範教師は合わせて6人、教育部外国語専攻指導委員会委員に選ばれたのは14人、全国規模の学会およびその支部の会長・副会長の在任者は8人。ほかに重慶市から表彰を受けた教員も数多いる。  

研究

大学は教育部認定の「国別・地域研究センター」(3カ所)および重慶市認定の「人文社会科学研究センター」(3カ所)、「2011 コラボレーション・イノベーションセンター」(2カ所)を持つ。大学の研究論集『外国語文』は中国の外国語研究分野における主要論文誌であり、『英語研究』はCSSCIChineseSocial Sciences Citation Index)に登録されている。付属の研究機関は「国別・地域研究院」「重慶当代中国研究院」「BRICS研究院」「重慶国際戦略研究院」「当代国際話語体系研究院」「重慶市国際教育発展研究センター」「重慶市教育法治研究センター」等。中国外国語インターフェイス研究会・中国言語教育研究会・中外言語哲学研究会・中国認知コミュニケーション学会等の全国規模学会の支部で大学の教員が会長を務めている。  

国際交流

大学は30あまりの国・地域における100以上の大学や教育機関と協力関係を結んでいる。例えば、教育部認可の海外大学との共同教育プログラムが2件(オーストラリアのニューカッスル大学との「ビジネス・イングリッシュ」プログラム、フランスのストラスブール大学との「物流管理」プログラム)、ロシアのニジニー・ノヴゴロド国立言語大学とトーゴのロメ大学、アメリカ・オハイオ州の「EastCentral Ohio Educational Service Center」にそれぞれ1カ所ずつの「孔子学院」を設置、エクアドルの「思源中国語学校」に「孔子クラス」を開設。人材の受け入れと派遣も積極的に推進している。年に平均して留学生400人あまり、短・長期の外国人研究者・教師70人あまりを受け入れ、教員100人あまり、学生600人あまりを外国へ派遣。大学は「GlobalAlliance of Foreign Studies Universities」(GAFSU)とフランコフォニー大学機構(AUF)の加盟校であり、外国政府や教育機関からの支援を受けて、ゲーテ・インスティトゥート、インスティトゥート・セルバンテス、イタリア語センター、ロシア語センター、ベラルーシセンター等の文化交流機関を設けている。  

学内施設

敷地面積が71ヘクタールに達する大学はマルチ・メディア教室やランゲージラボ、同時通訳ラボ、翻訳ラボ、ビジネスシミュレーションラボ、コミュニケーションスキルラボ、中間言語コーパスラボ、重慶市外交外事実験センター等を有し、中国西南地域で教学施設の最も完備した教育機関である。220409冊の外国語書籍を含む364万冊以上の蔵書を所有の大学図書館は、中国語と外国語を含めて、3400種に上る紙媒体の雑誌と、41354種の電子版雑誌も持っている。ほかに図書館のバーチャル化をはかるべく、近年、積極的にCNKIChinaNational Knowledge Infrastructure)やGALEPQDT等の中国語・外国語データベースを導入しただけでなく、自力でドイツ語データベースとCD読込システムも開発した。

社会奉仕

成都・重慶経済圏大学連盟のメンバー校である大学は外国語という自身のメリットを生かし、重慶の対外開放や産業の国際化・多元化のために人材を供給し続けている。大学の学生ボランティアは北京五輪や上海万博、広州・アジア競技会、重慶・中国国際スマート産業博覧会、中国共産党と世界との対話、ロシア・ワールドカップ等の国際的あるいは重慶市実施の催しで、受付や通訳、連絡事務、コンパニオン、案内等を担当し、国内外の参加者から好評を博している。開校して72年以来、全世界に飛び立った大学の卒業生は中国の経済成長、各国との親睦並びに重慶市の対外交流・協力に大いに貢献している。

今後のビジョン

中国の特色を有する社会主義の新たな段階において、教育活動を主軸に置く大学は、個性豊かなハイレベル研究型外国語大学を目指すべく、引き続き学科・専攻の多元化を推進するとともに、教育活動の改革、研究活動の充実、国際交流の拡大、社会奉仕の増大等をはかっていく。