日本語学院の李雯さんが第17回「中華杯」全国日本語スピーチ大会西南地区予選で優勝

2023-11-27



2023年11月19日、第17回「中華杯」全国日本語スピーチ大会西南地区予選が西南大学で行われ、本学の代表選手李雯さん(4年生)は、西南地区各大学の日本語専攻からの30名の出場選手のなかで、特等賞(計2名)第1位を獲得した。



特等賞の授与

教育部の許可を得た、中国教育国際交流協会・日本経済新聞社・日本華人教授会議が共同主催する中国日本語教育界で最も権威のあるスピーチ大会として、今回は17回目の開催を迎えた。これまで、19名の本学の優秀な学生が同大会に出場している。そのうち、西南地区予選では、13名が特等賞を、4名が一等賞を、2名が三等賞をそれぞれ受賞した。各地区の予選特等賞受賞者のみで競い合う決戦(東京で開催)では、13名のうち、2名が二等賞を、4名が三等賞を獲得した。西南地区で唯一「国家級一流日本語専攻」に選ばれた本学日本語学院の実力がうかがえる。

コロナ終息後、はじめての対面型大会となった今大会は、特に即席スピーチの方で、日本語の表現力のみならず、臨機応変のすばやさ、メンタルコントロール等において、選手たちに数々の課題を与えていた。



即席スピーチを行う李雯さん

今大会は、例年通り、午前のテーマスピーチと午後の即席スピーチの二部構成である。テーマスピーチで、李雯さんは「DXで私の暮らしはどう変わる」というテーマを選んだ。「言葉で構成された世界はいま崩壊しつつある」と冒頭で述べ、満場の注目を集めた。最後には、自分自身の実体験を踏まえて、「自分ならではの声を守るべきだ」という示唆に富む言葉で締めくくった。

即席スピーチでは、質問を聞いてから10秒以内でスピーチを始めなければいけない。言うまでもなく、それは選手たちの日本語力や思考力、反応力を試すものである。1番として出場した李雯さんがひいたのは「プレッシャーはパワー、活力でもある」という考え方についてどう思いますか」という質問である。彼女はスピーチのなかで自身の経験に基づいて、こう述べている。つまり、競争の激しい社会に対処するため、彼女は普段進んで自分にプレッシャーをかけるほうだから、さらなるプレッシャーより、励ましのほうが欲しいものである。プレッシャーに対する考え方は人それぞれだが、社会の面からみれば、発展を促す要因である、と。結果、李雯さんは、「トーンは流暢で響きがいい」、「冷静にスピーチをした」、「スピーチの内容に深みがある」と審査員一同から高い評価を得て、特等賞第1位を獲得し、東京での決勝戦に進むこととなった。




表彰状


李雯さん(右)と指導教員張麗霞先生(左)との記念撮影

李雯さんが受賞できたのは、日本語学院の各先生と学生たちのフォローも欠かせなかった。指導教員の張麗霞先生、村瀬隆之先生は、お昼と週末の休み時間を割いて、スピーチ素材の蒐集を手伝ったり、即席スピーチの練習に付き合ったりして、多大な努力を払っていた。特等賞の受賞を見たのは、李雯さん自身による日々の精進もさることながら、そうした日本語学院の先生方からの後押しによるところも大きいのではないか。

李雯さんには、これから開催される東京大会でのさらなる活躍を期待する。



選手プロフィール

李雯、2020学年3組

2021年四川・重慶日本語作文スピーチ大会優勝

2022年重慶市大学生日本語朗読大会一等賞

2023年「笹川杯」日本語知識大会、個人三等賞

上海外国語大学に推薦入学内定