2017年西安の旅①

2026-03-19

2017年西安の旅①


杉浦幹享


 私が人生で初めて外国を訪れたのは、忘れもしない2017年の9月9日~10日にかけて西安外国語大学で行われた「中国西安外国語大学・日本東北大学 交流協定締結記念 国際日本学フォーラム」であった。西安外国語大学には東北大学の日本思想史研究室の卒業生が多く在職しており、その縁でこの年に交流協定が結ばれ、後年西安外国語大学から留学生が来日することになるのであるが、今回はこの交流協定締結を記念する学会であった。

 修士1年生の私はこの国際的な学会のために人生で初めてパスポートを取得し、出国の直前まで血眼になって大学院入試の頃に勉強した中国語の文法を復習したのであるが、結局のところ不安な気持ちのまま、羽田空港から北京首都空港経由の西安咸陽空港行きの飛行機に乗り込んだ。

北京首都空港に降り立つと、偶然そこで私の恩師である佐藤弘夫(さとう ひろお)先生に出会った。佐藤先生もこれから西安外国語大学へ行かれるのであるが、あいにく違う飛行機だったため、乗り継ぎのために別れたのであるが、そもそも私はこれまで飛行機の乗り継ぎをしたことがなく、北京で荷物を受け取らなければならないことを知らずに、なんとなく人の流れに乗って西安へ向かってしまった。そのために、わたしは荷物がないまま2日間を過ごす羽目になった(USBメモリが手元にあったので発表自体に問題はなかった。)。最悪な沈鬱な気分で目の前が真っ暗になっていたのであるが、それでも、現地で出迎えてくださった西安外国語大学の葛叡先生や大学院生は荷物の受け取りの手配をしてくださり、「農夫山泉」のペットボトルを下さった。このときの水の味は今でも忘れられない。

西安外国語大学に到着すると、正門に掲げられてはためく五星紅旗が古都の蒼天に照り映えて美しく、学生のおもてなしも非常に細やかで、不安は一挙に和らいだ。

長安は古代日本人にとっては、たとえ死んでも絶対に行きたい国際文化都市であったので、そのような思いを胸に学会発表をした。