日本サッカーの進化とワールドカップへの期待

2026-06-04

日本サッカーの進化とワールドカップへの期待

村濑隆之

小学校1年生から大学を卒業するまで、ずっとサッカーをやっていた私にとって、いよいよ611日に開幕するサッカーのワールドカップは楽しみで仕方ない。

1994年のアメリカワールドカップでは、日本代表は初出場まであと一歩というところまで近づいたが、惜しくも初出場とはならなかった。所謂「ドーハの悲劇」だ。しかし、その4年後のフランスワールドカップでは、見事にアジア予選を突破し、ワールドカップ初出場を果たした。それ以降、日本代表は連続で本大会に出場しており、今大会で8大会連続8回目の出場となる。

近年の日本代表は実力を大きく伸ばし、「ワールドカップ出場は当たり前」と言われるほどのレベルになった。今大会から出場国が48ヶ国に増え、アジア枠も最大9ヶ国となったが、日本は圧倒的な強さで予選を突破した。現在は「ベスト8以上」が目標となっているだけでなく、日本サッカー協会は、「2050年までにワールドカップ優勝」という長期目標を掲げており、それに向けて着実に成長を続けている。

現在の日本代表には、多くの海外クラブで活躍する選手がいる。イングランド、スペイン、ドイツ、イタリア、フランスなど、世界最高レベルのリーグでプレーする選手も珍しくなくなった。昔は「海外で活躍する日本人選手」は特別な存在だったが、今ではそれが当たり前になっている。

特に今回の日本代表は、「史上最強」と評価する声も多い。前回のカタールワールドカップでは、優勝経験国であるドイツとスペインを破り、世界に大きな衝撃を与え、最近でも、ブラジルやイングランドを破った事も記憶に新しい。以前は、「強豪国に善戦するチーム」という印象だったが、今では、「強豪国にも勝てるチーム」と見られるようになっている。

もちろん、ワールドカップは簡単な大会ではない。しかし現在の日本代表には、「ベスト8以上も狙えるのではないか」と期待させる力がある。日本国内でも注目度は非常に高く、テレビやインターネットでは連日のように特集が組まれている。普段はあまりサッカーを見ない人でも、ワールドカップだけは観戦するという人は多い。まさに国民的イベントといえるだろう。

日本代表が強くなった背景には、長年にわたる育成改革の成功があると思う。特に私は、学校の部活動の存在が非常に大きいと感じている。

 日本では、多くの子供たちが中学校や高校のサッカー部に所属し、毎日のように練習を行っている。全国高校サッカー選手権は全国的な注目を集め、多くの高校生が「全国大会出場」という夢を抱いて努力している。私も高校時代は、全国大会出場を目指して毎日必死に練習をしていた。残念ながら神奈川県代表として全国大会に出場することはできなかったが、当時の努力や仲間との絆を思い返すと、「熱い青春時代」を過ごしていたと思う。

また、日本では大学サッカーも盛んであり、大学で成長してからプロになる選手も多い。私が入学した大学は、当時は「大学日本一」の学校であり、同級生や後輩で日本代表選手になった仲間もいる。つまり、日本では「学校教育」と「サッカー育成」が非常に密接に結び付いているのである。

更に、部活動は単なる技術指導の場ではない。挨拶、礼儀、協調性、責任感など、多くの事を学ぶ場でもある。現在の日本代表が「組織的なチーム」と評価される背景には、こうした学校部活動文化の影響もあるのではないだろうか。

一方、中国では日本のような学校部活動文化は、まだそれほど根付いていないように感じる。受験競争が激しく、多くの学生が勉強を優先せざるを得ないため、長時間にわたり本格的にスポーツへ取り組む環境を作ることは簡単ではないのだろう。

私は、日本サッカーの強さは、単に才能ある選手が居るからではなく、こうした長年の学校部活動文化によって支えられている部分が大きいと思っている。もちろん、部活動には様々な課題もあるが、多くの若者が学生時代に真剣にスポーツへ打ち込み、仲間と供に努力する経験は、日本スポーツ界全体の大きな財産になっているのではないだろうか。

だからこそ、今回のワールドカップでは日本代表がどのような戦いを見せてくれるのか、とても楽しみにしている。これまで積み重ねてきた日本サッカーの成果を、世界最高の舞台で存分に発揮してほしい。日本の初戦は615日である。アジア代表として世界に挑む日本代表が、再び多くの人々に夢や感動を与えてくれる事を期待している。