マカオ小景

2026-04-22

マカオ小景

でかい帆前船がねむってゐる

市街ではくれ方の鐘がなつた――


朗らかな夕空の月と

兵営のラツパとが交叉してゐる


蘭の花の香りが南方のたよりだと

若い船長はペンを走らした


サンパンやジヤンクが丸窓をすぎたかと思ふと


白い鴎がぱつと汐けむりをたてた――


一九二一年に故郷を離れたきりだ

この葡牙利の船長はけむりの中で陸を見る

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