作品八十三番

2024-12-09

作品八十三番

 

夜のごう/\とする音をきく

トの上に浮遊しない重力のある物体

何がさてこいつに悲しい心象を与へたのか?

わからないん?

ではなくして暗い世界

そしてやたらに昇る夏の青葉の青つぽい匂ひ

オレはフキルムの思ひ出をたのしぶ

そして云ふことを青葉の中へばらまく

何と云つても………だ!』

人生をしらずに人生をはかなむ

その度毎に面白いん

ぐり/\した勇しい心象も一寸はみ出してくるん

ごう/\する都会の夜の物音もするん

耳立てるといやにしんみりしてる

いろ/\の首をぶちこはしては一つの首につくり上げる

百合の花の香(ママ)いい部屋

鳩時計への耳

重心を忘れると眼が云ふことをきかなくなり

どんづまりオレも浮遊してく