心象スケツチ

2024-12-02

心象スケ

 

十月、

青い空に紙つぶてが飛んだ

私はアトリエで小さな町を読んでゐた

美しい顔の発見だ!

 

十一月、

眼ははつきりものを見る

自分に似た心で、しかも聖らかな心よ

てる、知てる、その朗らかさと美しさを

 

十二月、

、何といふ手対((てごた))へのあるやつだらう?

そいつは通り魔のやうで不思議にも和やかなや

そいつはこのGaminの心をぐつと((おさ))へつける

 

月、

もうオレの力は大空の風のやうでない

だが、新しい喜びをよろこぶあなたは

人といふものに峻烈な美しさを感じただらう?

 

二月、

雪の降る底冷えのする夜の窓で

誰がつましくあの晴れた日光の春を待つであらう

あなたは、あなたは……二月の神経のやうな桜並木の道を歩いてゐる