ある夜の心象

2024-11-29

ある夜の心象

 ――時 間 的 に――

1 きゝ耳立てゝ

すてきに肩幅のある物音を

オレだけきいてゐるのではないことが考へられる

2 枕に胸が痛い

3 寒い宵、犬の鳴き声

4 今日一ん日をさらりと捨てたやうな

 心象

 身体

5 市街の高架電車の音の行くところまで

 オレが行くのだ

6 考へなければ幸ひを今オレは

            思ひ出せない

7 花やかな冬の夜とオレ

8 !!!!!!!!!

9 あの対照も凍つてしまつただらう?

10 オレ、一点の黒子を思ひ出すがいゝ

オレ、ねむくない、直通無思想、寒くもない

弾力を構えて、ぎら/\して、

を消すと見える『最後のオレの手』を見るがいゝ!