沙坪壩区概要

2022-03-29

  重慶市副都心の一つである沙坪壩区は26個の鎮(街道)を含み、東には嘉陵江が流れ、西には縉雲山がそびえたち、南と北にはそれぞれ九龍坡区と北碚区に接する。総面積は396平方キロ、常住人口は148万人、都市化率は96%。

  人文について。重慶は「巴文化」・抗戦文化・「紅岩精神」の発祥地。千年の歴史を誇る伝統的集落「磁器口」や郭沫若・馮玉祥等の有名人旧居、白公館・渣滓洞等の革命記念遺跡・抗戦遺跡(計80か所)等がある。抗戦中、避難してきた多くの大学生のために夜の灯りに電力を特別に供給した、いわゆる「沙坪学灯」もまさに沙坪壩区を舞台にしていた。近年、「重慶文旅城」や「磁器口後街」、「金沙天街」等の文化観光施設を次々と立ち上げた。

 

   

   文教について。西部(重慶)科学城(サイエンスシティ)の中心エリアとして、多くの文教機関を集めている。重慶大学や陸軍軍医大学等の16の大学、重慶一中や南開中学校、樹人小学校等の82の中・小学校、重慶市あるいは国家の認定を受けた321の科研プロジェクト、129のハイテク企業、重慶市の認定を受けた1799のテクノロジー企業、10万人の科学技術者、3万人の修士・博士、34人の科学院・工程院会員、青鳳ハイテク産業パーク・「黄金湾智谷」・「光谷智創園」・「重慶大学創業設計産業園」等のイノベーション・プラットフォームを有し、一万人あたりの特許保有率は全市で第一位。

 

 

 交通について。重慶が西へと拡張する方向に当たり、高速鉄道ターミナル駅を三つ(重慶西駅・沙坪壩駅と計画中の科学城駅)所有、重慶自由貿易試験区・西永総合保税区・重慶鉄道税関・重慶ハイテク区等の国家レベルのプラットフォームを持つ。域内にある重慶国際物流ターミナルは国家級の「陸の港」型物流ターミナルに認定された。中国内陸部における陸路・海路をつなぐ鉄道輸送を最初に開通、国家級の事業として指定された今では、南にはシンガポールへ、西にはヨーロッパへ直通できる。2021年の輸出入総額は全市の四割以上を占める。

 

 産業について。電子情報・製造業・貿易ビジネス・物流・文化観光という五つの産業配置を形成。年商2000万元以上の企業は214社に達する。中国西南地域における伝統的な工業地であり、「東風小康」や「西南薬業」等のブランドを育成した。そして、世界的にも重要な電子情報産業基地であり、「中国電子科技」や「華潤微電子」「吉芯科技」等のハイテク企業を誘致。産業チェーンを一体化して発展させている。全世界のノートパソコン生産量に占める割合は25%に上った。全国はじめての「TOD」(公共交通指向型開発)プロジェクト「龍湖光年」を完成させ、シンガポールのMapletree社・アメリカのPrologis社・ドイツのHellmann社および中国外運(Sinotrans)等の大手物流企業を誘致した。