「名人講壇」第三講王智彪:医学倫理から見るオリジナル医療機器の発展方向

2022-10-21

【名人講壇】第三講 王智彪:医学倫理から見るオリジナル医療機器の発展方向

 2022929日、本学の招きに応じて、重慶医科大学医用生体工学部教授・医学博士・博士指導教員・医用超音波工学国家重点実験室および「超音波医療国家工程中心」主任・「国家傑出青年基金」の受賞者である王智彪教授が来校し、西キャンパス立徳楼A609会議室で「医学倫理から見るオリジナル医療機器の発展方向」と題する講座を行った。これは、本学「名人講壇」シリーズ講座の第三講で、科研処が主催し、科研処長で博士指導教員でもある胡安江教授による司会の下、本学の教員・学生100人近くが受講した。 

 

講座現場の様子

 冒頭、胡処長は、王教授と邢若曦教授の来校を歓迎したうえ、王教授の研究成果について簡単に紹介し、その学術上のヒューマニズムを高く評価した。その後、王教授は次の四つの問題から講座を始めた。

 

講演中の王教授

 つまり、医学の根本的目的とは何か、慢性疾患の病因と悪化に対するヒューマニズムの役割、病気回復の過程における診断・治療方法の優劣をどうつけるべきか、低侵襲・非侵襲医療はなぜ医学発展の必然的傾向であるか、である。

 現代医学のパラダイムからして、話の中心を徐々に患者の術後生活に移す王教授は、自然科学もヒューマニズムを重視し、医学におけるヒューマニズムの励行には「新文科」(リベラルアーツ)を指向する四川外大全教員・学生にも加わっていただきたいと指摘した。

 続いて、生命とは何か、患者とは何かをめぐって、生命の形成と発育過程や術後の患者が必要とするケアについて詳しく述べた。つまり、からだ、こころ、社会的行動が協調してこそ、はじめて健全な人間となる、ということが、現在の医学・医療ではしばしばないがしろにされがちだが、リハビリの外因としての医学は、人間自身の内因に合わせないと、理想的な効果をあげることができない、ということである。

 結びに、「病気を治す」から「患者に治療を施す」へという「海扶病院」の医療モデルを紹介し、同モデルも含めて、我が国の様々な最先端技術の開発と普及において重要な役割を果たす翻訳の人材となる四川外大の教員・学生には大いに活躍していただきたいと期待を述べた。

 

質問に応答中の邢若曦教授

質疑応答では、フロアの受講者からは「海扶刀」の原理と応用、女性のウイルス予防とワクチン接種等についての質問があった。それらに対して、両教授は多次元から丁寧に回答した。

 

司会中の胡処長

 

最後に、司会者である胡処長は、医学と翻訳は多くの共通点を持ち、互いに促進し合う、依存し合う関係にあり、そして翻訳そのものも生命の時空を跨ぐ思考活動だと自身の感想を述べるとともに、王教授の学術的理想や人文主義・問題意識・学者としての修養に習うよう、受講者らを激励した。