上海交通大学・彭青竜教授が本学の「名人講壇」でご講演

2022-11-30

上海交通大学・彭青竜教授が本学の「名人講壇」でご講演

 

20221014日午後、上海交通大学の特任教授・博士指導教員である彭青竜教授は本学の「名人講壇」で「世界文明の多様性と科学技術革命」と題するオンライン講演を行った。本学科研処長・博士指導教員である胡安江教授が司会を務め、学内外の教員・学生は計300人あまり受講した。

 冒頭、胡教授は本学の教員・学生を代表して、彭教授に歓迎の意を表し、そのプロフィールを紹介した。その後の講演で彭教授はまず、「世界文明の多様性と科学技術革命」というテーマ設定の由来から、外国語教育・大学院教育・学術論文の書き方における問題点を取り上げた。それから、外国語関連研究と外国・地域研究における激しい競争に勝ちぬくための外国語教育の強みとは何か、国内外にどんなチャンスがあるのかにも言及した。

 次に、中国と西洋の言説体系から「文明」の語義を追究した。それによって「文明」の含意を生物多様性の保護あるいはエコ文明にまで拡張させ、「生物多様性――人間による改造と利用――文化多様性――文明多様性」という枠組みを打ち立てた。それから話を文明多様性と技術革命に移し、具体的には人工知能・遺伝子工学・量子工学による人類社会への影響、5回にわたる世界科学センターの移転、文化に対する科学技術の作用、哲学・社会科学研究に及ぼすデジタル化の影響、テクノロジーに依拠する人文情報学について論じた。

 続いて、ニュートン的思考と量子的思考を区別したうえ、量子的思考が自然科学・社会科学・人文科学に与えた影響を指摘した。中でも文学研究に対する量子的思考の影響を、文芸創作・文芸理論・文芸批評の面から考察した。また、学術雑誌の編集長として、研究の最新情報・論文の書き方・論文発表等にわたって注意すべき問題点に触れた。

 最後に「今後の課題」を示して講演を締めくくった。認識論・方法論等の面で受講者に刺激を与えたものである。胡教授は総括のなかで、彭教授のご講演は広い視野に立って、外国語教育史・文明史・科学史の整理、中国語力・科学知識への重視を含み、われわれに今後の進むべき方向を示してくれたと評価して、改めて感謝の気持ちを述べた。

 受講者による熱烈な拍車のなか、講演が円満に幕を閉じた。

講演中の彭青竜教授

オンライン講演