「香港国際詩歌の夕べ」シリーズ2「切り抜け:朗読と対話」――本学徐曼琳教授とロシア詩人マキシム・アメリン氏とのオンライン交流

2022-07-27

「香港国際詩歌の夕べ」シリーズ2「切り抜け:朗読と対話」

――本学徐曼琳教授とロシア詩人マキシム・アメリン氏とのオンライン交流

 

2022122日、「香港国際詩歌の夕べ」(InternationalPoetry Nights in Hong Kong)シリーズ2「切り抜け:朗読と対話」第7回オンライン交流に招待された首都師範大学外国語学院教授・同大学外国詩歌研究センターの劉文飛主任と、アメリン詩歌の訳者・本学ロシア語学院の徐曼琳院長は著名なロシア現代詩人アメリン氏と、詩人と故郷、アメリン詩作のスタイル、現代ロシア詩人の現況等について意見交換し、中露両語でアメリン氏の詩作を朗読した。 本学ロシア学部の陽知涵先生が、同イベンドの通訳を担当した。

「香港国際詩歌の夕べ」シリーズの一部である「切り抜け:朗読と対話」は、「香港詩歌節基金会」が著名な詩人や翻訳者・学者・ミュージシャンを招待し、中国語と英語でオンライン開催されたイベントである。その趣旨は詩歌から、コロナのパンデミックに共同で対処するための糸口を見出すことである。同イベントでは、オンラインで集まったポルトガル・ギリシャ・ロシア・アメリカと中国大陸からの詩人・翻訳者・学者たちは共に多言語による朗読と交流を行った。また、視聴者にアート性豊かな視聴体験をもたらすため、ミュージシャンやダンサー、バーチャルアーティストに詩歌を融合させたクリエイティブ製作を依頼した。同イベントは鳳凰網(IFENG.COM)や香港中文大学文学院・香港浸会大学伝理学院・マカオ大学からの協賛も得ている。 

 司会者を担当した文飛教授はまずアメリンにその「中国愛」の由来を聞いた。アメリン氏は、小さい頃から中国の文学作品に影響を受け、中国をテーマにした詩をいくつも作った、そして家族とともに何度も中国を訪れていて、妻も中国文化の愛好者だと答えた。

それからロシアの「詩人賞」「ブニン賞」「ソルジェニーツィン賞」など数々の賞に輝いたアメリン氏は、その中で最も価値のある「詩人賞」について簡潔に紹介し、「詩人賞」史上最年少の受賞者としての感想も語った。

 続いて、3人はアメリン詩作の特徴について話し合った。詩の中によく現れる古代ギリシャ・ローマ神話のイメージとモチーフは、そのレトロなスタイルを反映しており、ダッシュと改行の使用はその創意を表しているという。

 現代ロシア詩歌の発展と、詩人の生活状況について話す時、アメリン氏は三十年前に比べると、現代ロシア詩歌の創作は団体から個人に移り、伝統的なスタイルからビデオや音楽などの技術と融合する形にシフトしたと述べた。

 鼎談の中で、詩の愛好者にロシア語の原文と中国語の訳文の美しさを直感的に感じてもらうために、アメリン氏とその詩歌の訳者である徐曼琳教授はロシア語と中国語で五首の詩を読んだ。

最後に、劉文飛教授はイベントの主催者「香港詩歌節基金会」とスタッフの方々、鼎談者のアメリン氏と徐曼琳教授に感謝の意を表し、そしてアメリン氏に今後また中国へ来るよう誘いをかけた。

鼎談は鼟楽(シンガポール)のVTR「旅に立つ」で締めくくられた。同楽団は音楽教育家、学者と演奏家で構成されるシンガポールの有名なNPOとして、同国華人社会の中から音楽の素材を探求し、東洋と西洋、伝統と現代の中に広くインスピレーションを得ようとしている。詩歌と芸術を融合させたそのVTRは、鼎談に音楽的なエンディングをもたらした。 

 オンラインで配信された同鼎談は、その夜だけでも計47.3万人が視聴した。多くの詩歌愛好者は、オンライン視聴の際、メッセージを書き送った。まさに詩歌によって、時空の境界を超え、コロナのもたらした制限も乗り越えることができた。

 マキシム・アメリン氏のプロフィール

詩人、随筆家、翻訳家、詩歌研究者、出版人。ロシアクルスク州に生まれ、クルスク・ビジネス・スクールを卒業し、兵役に服したのち、ゴーリキー文学大学に進学。多くの詩集、翻訳作品と詩歌研究作品を著す。

 ピンダ、カトゥルス、ホメロスの作品、および現代のグルジア、イタリア、ウクライナの詩人の作品を翻訳18世紀から20世紀までのロシア詩人の作品および現代のロシア・グルジア詩歌のアンソロジーを注釈・編集。のべ57か国語に訳された『現代ロシア各民族詩選』の発起人・編者。

 

 

鼎談のポスター

オンライン鼎談のスクリーンショット