景星講壇・東アジア地域・国別研究講演会

2025-04-29

  4月17日、日本語学院は鄭州大学外国語・国際関係学院の葛継勇教授、湖南師範大学外国語学院の陳小法教授を招待し、東アジア地域・国別研究に関する特別講演会を開催した。

  葛継勇教授は日本語学科の発展の新たな方向に焦点を当て、「外国語言文学の視点から見る東アジア地域研究」と題した学術講演を行った。葛教授は「地域・国別学」学科の誕生背景と発展経緯について説明し、20241月に国務院学位委員会と教育部が共同で発表した「大学院教育学科専門概要及び学位授与基本要件」に基づき、この学科の意義と研究範囲を分析した。さらに自身の研究経験を交えつつ、東アジア地域研究に関する視点と方法、また中国における研究の発展プロセス、先端の課題について紹介した。


 陳小法教授は、明朝における中日関係発展の主な流れをテーマに、「日本遣明使と明朝の中日交流」と題した発表を行った。陳教授は、膨大な中日両国の文字史料や絵画の題跋といった一連の歴史資料を詳細に分析し、明朝における両国の文化交流の場面を生き生きと再現するとともに、資料考証による遣明使のメンバー構成、「遣明使」という概念の命名背景、勘合貿易のプロセスなどについて説明と分析を行った。この講演を通じて、日本遣明使が単なる朝貢貿易の使節だけでなく、明朝時代に中日両国の文化交流を担う重要な媒介であった事を知ることができた。


 

  四川外大の地域国別研究院の陳広猛教授と日本語学院の王宗瑜準教授が、講演会の司会を務め、東アジア地域研究の先端研究や方法論の革新といったテーマをめぐり、意味深い対話を展開した。講演会は内容が非常に豊富で意義深く、日本語学院の教職員・学生が最先端の学術動向に触れ、地域国別研究の学術的視野を広げる契機となっただけでなく、本学院における学科構築や人材育成の改革・革新にも有益な示唆を提供するものとなった。


  重慶市の他大学の日本語専門の教員・学生の一部も講演に参加した。本特別講演会は校内外の学術資源を共有するために積極的で建設的な役割を果たした。